お昼になると眠くなるのは何故!?仕事中に眠くなる理由とは?
午後になり「よし、お昼も食べたし頑張って仕事をしよう!」と意気込んでいてもいつの間にかウトウトしてしまったという経験はないでしょうか?
午前中は全く眠くなかったのに午後になると何故か眠気が急に襲ってくることってよくありますよね。
あまりにも眠気が強烈すぎて、耐えきれずに思わず眠ってしまったという人もいるかもしれません。
午後からの大事な会議で集中力が途切れたり、授業中に眠くなって勉強に集中できなくなるのは困りもの!
「会議がつまらないからだ・・・」
「授業がおもしろくないから眠くなる・・・」
このような言い訳をしている人もいるのではないでしょうか?
もちろん、つまらない授業や会議では眠くなるのは仕方がありませんが、実はそれだけではないのです。
それでは、何故お昼を過ぎると眠くなってくるのでしょうか?
昼になると眠くなるのは体内時計のせい?
お昼になると眠くなってくるのは何故だと思いますか?
よく言われているのが「ご飯を食べると胃に血液が集中して脳に血液が行かなくなるから眠くなる」というものですが、本当にそうなのでしょうか?
確かにお昼ごはんが胃に入って消化しようとすることで副交感神経が優位になり、胃に血液が集中して脳に血が回らなくなることで眠くなるということも考えられますが、実は眠気がやってくるのにはもう一つの大きい理由があります。
これさえ知っておけば、午後からの眠気に秘密が明らかになるのです。
ところで、「体内時計」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
意味は分からないけど、言葉だけは聞いたことがあるという人もいるのではないかと思います。
実は、昼になると眠くなってくるのはこの「体内時計」が大きく関係しているのです。
体内時計の働きとは?
そもそも、体内時計とは一体何なのでしょうか?
私たちは当たり前のように夜になると眠くなり朝になると目が覚めますよね。
簡単に言ってしまうと、これが体内時計の仕組みです。
夜に眠くなるのはあまりにも当たり前のことすぎて深く考えることもないと思いますが、体内時計は人間の眠気をコントロールしている重要な要素の1つになります。
また、体内時計の働きは睡眠のリズムを生み出すだけでなく、覚醒や体温の変化、ホルモン分泌のタイミング等、様々な働きにも関係しています。
体内時計の乱れは不眠症の原因にもなり、「概日リズム睡眠障害」という睡眠障害もあるくらいです。
体内時計の周期は?
さて、体内時計は私たちが生まれたときから備わっている基本的な能力で、地球が24時間周期で昼と夜が訪れるのと同じように人間にも1日周期でリズムが訪れます。
しかし、人の体内時計はぴったり24時間というわけではなく、人それぞれ異なっていて大体24時間10分前後であることが分かっています。
ちなみに、以前は体内時計は25時間と言われていましたが、実際にはそれほど長くはなく人によっては24時間以内の人もいるそうです。
そして、この約1日で訪れる体内時計のリズムのことを「サーカディアンリズム(概日性リズム)」と呼んでいます。
サーカディアン・リズムは1日の睡眠と覚醒をコントロールしており、夜になると眠くなり、昼になると目が覚めるのはサーカディアン・リズムによるものなのです。
夜になると眠くなってくるのはサーカディアン・リズムが関連しているというわけですね。
でも、そうなると「昼には覚醒しているのに、どうして眠くなるの?」という疑問が出てきますよね。
それではどうして昼になると眠くなるのかというと、実は体内時計にはもう一つのリズムがあり、それが約半日周期で訪れる「サーカセミディアンリズム(概半日リズム)」と呼ばれているもので、これは12時間周期で眠気が訪れます。
サーカディアン・リズムほどの強い眠気ではありませんが、サーカセミディアンリズムの周期がやってくると眠気を感じるようになっているのです。
つまり、人間の体はサーカディアンリズムにより夜になると眠くなり、サーカセミディアンリズムにより昼と夜の1日に2回眠くなってくるような仕組みになっています。
そして、これこそが昼食後に眠気を感じさせるものだったのです。
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最も眠くなる時間帯とは?
サーカセミディアンリズムの中でも最も眠気が強い時間帯は大体決まっており、1つが午前2時〜午前4時の間だと言われています。
とはいっても、ほとんどの人はこの時間帯には眠っていると思いますので、あまり眠気を感じることはないかもしれません。
問題となるのは、もう一つの眠くなる時間帯です。
約半日周期で訪れるということからもうお分かりの人もいるかもしれませんが、午後14時〜午後16時の時間帯がもう一つの眠くなる時間なのです。
つまり、午後になると眠くなってくる正体は、このサーカセミディアンリズムの睡眠リズムが訪れているということだったのです。
実際に、交通事故が起こりやすい時間帯を調べた研究では最も事故が多かったのは夜間ですが、次いで多かったのが午後14:00であったという報告もあります。
これは、誰にでも備わっているリズムであり、避ける事はできず寝不足の時には特に強い眠気を感じてしまいます。
逆にしっかりと睡眠をとっていれば、それほど眠気を感じることはないかもしれません。
もし、昼になるといつも眠くなってくるという人は、もしかすると睡眠量が足りていないのかもしれないですね。
昼以外にも眠くなるのは何故?
ところで、午後からでなくても時間に限らず単調な作業や流れ作業をしているときに眠気を感じることはないでしょうか?
実は、体内時計にはもう一つのリズムがあるのです。
それが、「ウルトラディアン・リズム(超日リズム)」と呼ばれるもので、サーカセミディアンリズムよりもさらに短い約2時間周期で弱い眠気をもたらします。
このように、人間の身体には様々なリズムによって眠気の影響を受けるのです。
体内時計による眠気には逆らえないので、受け入れるしかないというのが実際のところなのです。
その上、昼食後は食べ物を消化したり吸収することで副交感神経が優位になってしまうのでさらに眠気が強まってしまいます。
もちろん普段の寝不足が溜まっていればさらに眠気が強くなってくるので、しっかりと睡眠をとるようにすれば眠気も弱くなってくるかもしれません。
毎日のように午後になると強い眠気が襲ってくるという人は、もしかすると寝不足も影響しているかもしれないので、もう一度自分の睡眠を見直してみましょう!
午後の眠気を解消するには!?
さて、午後になると眠くなってくる仕組みは分かりましたが、眠くなってきたときに解消することは出来ないのでしょうか?
やはり昼に眠くなってくるのは出来れば避けたいものですよね。
眠気があるだけで仕事や勉強の能率が大きく低下してしまい、様々なマイナスな影響を与えてしまいます。
そこで、午後の眠気を解消できる簡単に出来る方法をいくつかご紹介したいと思います。
固いものを食べる
眠くなってきたら、顎を動かすことで交感神経が優位になり、さらにこめかみの血管が刺激されることで覚醒状態が強まります。
なるべく固いせんべいや、ミント強いガムを噛むことで様々な神経が刺激されて眠気が弱まるはずです。
また、チョコレートを食べると脳の覚せい作用や脳の疲労回復にも効果があると言われているので、ちょっぴり疲れてくる午後に食べるには非常に効率的です。
オヤツを食べる間隔で簡単に出来るので、是非試してみてください。
明るい光を浴びる
人間の体は太陽の光や明るいライトの光を浴びると自然と脳が覚醒するような仕組みになっています。
眠くなってきたときは、一度オフィスの外に出て5分くらい太陽の光を浴びてみるのも良いでしょう。
さらに、ストレッチやウォーキング等と組み合わせて身体を動かせばより効果的に覚醒させることが出来ます。
その後に冷たい水で顔を洗えば、五感が刺激されてさらに眠気を解消することが出来るでしょう。
仮眠(昼寝)をとる
眠いときには思い切って仮眠をとるのも効果的です。
昼休み等を利用して、午後からの仕事の前に少しだけ睡眠をとってみましょう。
ただし、ここで注意したいのが"長時間寝すぎないこと"です。
目安としては15分〜20分くらいの仮眠を取るようにしましょう。
意外と短いと思われるかもしれませんが、それ以上眠ってしまうと深い眠りに入ってしまうので起きたときにすぐに仕事にとりかかることが出来なくなってしまいます。
また、あまり多く眠ってしまうと夜の睡眠にも影響を与えてしまい、結果的に睡眠不足へとつながってしまう悪循環に陥ってしまうこともあるので、程ほどにしておくのが良いでしょう。
ちなみに、仮眠をとる前にコーヒーを飲むのもおすすめです。
コーヒーにはカフェインが入っているので覚醒を促すのではないかと思われるかもしれませんが、カフェインが効き始めてくるのはコーヒーを飲んでから15分後くらいなので、ちょうど起きたころにカフェインが効いてきて気持ちよく目覚めることが出来るのです。
仮眠をとると午後からの集中力もアップするので、是非実践してみてください!