むずむず脚症候群

睡眠中に"足がむずむず"するのは「むずむず脚症候群」かも!

 

「足がムズムズして眠れない・・・」

 

睡眠しようとすると、ふくらはぎや太もものあたりに異常な感覚がして脚を動かさずにはいられなくなって寝付けなくなることや、まるで虫が這っているかのように痛痒くなって脚を動かさずにはいられなくなるという病気があることをご存知でしょうか。

 

そして、脚を動かしたり起きて歩いたりすると症状が軽減し、脚を動かさなくなると再度同じような症状が出現するのです。

 

これは「むずむず脚症候群」という睡眠障害の1つです。

 

正式には「レストレスレッグス症候群(restless legs syndrome:RLS)」と呼ばれており、そのまま訳すと"下肢静止不能症候群"とも呼ばれています。

 

症状は、その名の通り下肢を動かさずにはいられなくなる病気です。

 

  • 足がむずむずして寝れない・・・
  • 足に異常な感覚がある・・・
  • 足がかゆくてじっとしていられない・・・
  • 足に蟻が這っているいるような感じがする・・・
  • 足の裏がむずむずしてくすぐったい・・・
  • 寝入ったときや夜中に目が覚めたときに足がムズムズする・・・
  • 手から足にかけてむずむずした感じがある・・・
  • 寝ているときに足を動かしたくなる・・・
  • 足がしびれてむずむずする・・・

 

など、様々な症状を訴える患者さんがおり、まれに腕に生じることもあると言われています。

 

また、中には眠れないのが原因で脚がムズムズすると思っている人もいるようですが、実際にはそうではなくムズムズするから眠れないのです。

 

もっとも症状が現れやすいのは入眠しているときで、毎日起こるものではありませんが、悪化してくると毎日起こるようになり入眠時以外でも症状が現れ始めます。

 

あまり聞き慣れない症状だと思いますが、現在約200万人がむずむず脚症候群により不眠症を患っているといわれています。

 

この症状は、子どもから大人まで幅広い年代で発症することがありますが、年齢を重ねるごとに発症する人が増加し、特に女性に多いのが特徴です。

 

女性は男性の約1.5倍〜2倍くらい多いと言われています。

 

寝床に入ってから症状が出ることが多いため、入眠することが出来なくなり、寝入ることが出来たとしても中途覚醒したときに再度症状が現れて再入眠することが出来なくなるという症状を引き起こします。

 

その結果、不眠症となり日中に眠気を感じたりと日常生活に様々な支障をきたすことにつながります。

 

「足がむずむずするだけなら全然たいしたことじゃないんじゃないの?」

 

と思われるかもしれませんが、思っているよりも辛い症状であるのは実際になったことがある人にしか分からないかもしれません。

 

 

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むずむず脚症候群になる原因

 

脚がむずむずする原因には、「ドパミンに関わる運動神経の低下」、「鉄分の不足による代謝異常」、「慢性腎不全」、等が考えれています。

 

また、女性の発症割合が高い理由の1つには、鉄分が不足しやすいのと妊娠との関連が考えられています。

 

妊娠すると鉄分が優先的に胎児の方へと運ばれていくので鉄分が不足して貧血が起こりやすくなるからです。

 

他にも、ダイエットをしている人や食生活が乱れて鉄分が少なくなっている人に発症することもあります。

 

特に人工透析を受けている腎不全患者には6〜8割くらいの割合で発症すると言われています。

 

さらに遺伝子とも関連があるとも言われていますが、原因が良く分からない場合もあったりと、まだ完全には解明されていない病気でもあるのです。

 

遺伝に関しては親にむずむず脚症候群の症状があると、その子供にも早いうちから現れやすくなるといわれています。

 

また、最近ではむずむず脚症候群がうつ病を引き起こす原因になるとも言われています。

 

終夜睡眠ポリグラフ検査という検査で、夜間に寝ている様子をモニタリングして手や足の動きの細かい動きを確認することが出来ます。

 

むずむず脚症候群の治療

 

鉄分が欠乏している場合は鉄分を補充することで改善するので、鉄分が豊富に含まれた食べ物やサプリで補うことで治ることがあります。

 

しかし、それ以外の原因の場合はドパミンを補う薬剤を処方して治療を行います。

 

また、眠る前に脚をマッサージして血流を良くすることで症状が軽減することがあります。

 

いずれにしても、もしむずむず脚症候群と思われる症状があると感じたら病院で診察してもらいましょう。

 

むずむず脚症候群は睡眠薬では治らないので、専門家の治療を受ける必要があります。

 

その場合、皮膚科ではなく睡眠専門のクリニックを受診するようにしましょう。

 

むずむず脚症候群による不眠の場合は睡眠薬では治らないので、中枢ドパミン作動薬、GABA、抗けいれん薬などが使用されます。

 

アルコールやタバコ、コーヒー等の刺激物は神経を刺激して症状が出やすくなるので、なるべく控えるようにしましょう。

 

軽い運動を行うと症状が緩和されることもあり、寝る前に足を冷やすと効果的であるとも言われています。

 

また、むずむず脚症候群を自宅でケアが出来る「HQLスムージングマッサージクリーム」というむずむず脚専用のマッサージクリームも販売されているので、病院に行く前に試してみると良いかもしれません。

 



 

周期性四肢運動障害を合併する

 

むずむず脚症候群患者の約80%は"周期性四肢運動障害(PLMD)"という病気を合併していると言われています。

 

周期性四肢運動障害というのは、夜中に脚がピクピク動いてそれが原因で目が覚めてしまうという症状で、この症状により睡眠が妨げられてしまいます。

 

睡眠中の体がリラックスしているときによく起こると言われています。

 

患者数はむずむず脚症候群よりも若干多いとされており、特に高齢者に有病率が高いのが特徴です。

 

ほとんどが脚に生じ、1回の異常運動の持続時間は0.5〜5秒程度で、20〜60秒間隔で出現します。

 

そして、この異常運動が睡眠中に1時間あたりで5回以上あると周期性四肢運動障害と診断されます。

 

もし寝ている時に、「足がピクピクして気持ち悪い」、「足の指がピクピクする」という症状がある人はこの症状になっているのかもしれません。

 

また、むずむず脚症候群とは異なり、本人が自覚してない場合もあります。

 

その場合は熟睡感が得られていないので日中に眠気や倦怠感を感じていますが、本人に自覚がないため確認することは出来ません。

 

そのときは、家族に確認してもらったり、病院に行けばむずむず脚症候群と同様に終夜睡眠ポリグラフ検査で診断することが出来ます。

 

逆に、一緒に寝ている家族の足がピクピク動いていることに気づいたら、周期性四肢運動障害の可能性があるので教えてあげましょう。

 

周期性四肢運動障害も睡眠薬の服用で治療することは出来ませんが、薬で治療することは可能です。

 

ドパミンの働きを改善する薬や抗てんかん薬のクロナゼパムが使われることがあります。

 

むずむず脚症候群になったら

 

むずむず脚症候群の患者数は昔と比較して増加しています。

 

もし、むずむず脚症候群になったら出来るだけ早く治すようにしましょう。

 

睡眠障害を合併することで日常生活に様々な支障をきたし、さらに睡眠不足により免疫力が低下して病気になりやすくなってしまいます。

 

また、アメリカとイギリスで行われた大規模な研究では、8歳〜11歳のむずむず脚症候群の発症率は1.9%、12歳〜17歳が2%であり、ADHD(注意欠損多動障害)の子供はむずむず脚症候群や周期性四肢運動障害の発症頻度が高いという研究データが出ています。

 

日本でもADHDの患者数が増加していることから、今後むずむず脚症候群や周期性四肢運動障害の患者数が増加するかもしれません。

 

 

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