カフェインを飲むと眠れなくなるのは何故!?カフェインは不眠症の原因にも!
眠くなってきたときに目を覚ます方法として最も有名なのは、カフェインを摂取するという方法ではないでしょうか?
カフェインは誰でも簡単に摂取できることから、昔から眠気覚ましとして多くの人に利用されています。
カフェインが含まれている有名な飲み物といえばコーヒーや紅茶ですが、最近ではカフェインをたくさん配合したカフェイン含有清涼飲料水もたくさん販売されていますね。
確かにカフェインには覚醒作用があり、眠くなってきたときに飲むと目が覚めることが分かっています。
また、カフェインの覚醒作用は数時間持続するため、"眠いけど眠れない"というときに飲むと非常に有効なのです。
例えば、午後から眠くなりがちな仕事中にコーヒーで眠気を我慢しているという人も多いのではないでしょうか?
また、コーヒーには覚醒作用以外にもコーヒーの香りに脳や心をリラックスさせる効果もあるので、ちょっと疲れてくる午後に飲むのはおすすめです。
しかし、コーヒー等に含まれるカフェインは眠気を取り除くにはメリットになりますが、逆に言えば睡眠にとっては眠れなくなる作用をもたらすため不眠の原因にもなってしまいます。
そこで今回は、睡眠に影響を与えない上手なカフェインの摂取方法についてご紹介したいと思います。
カフェインで目が覚めるのは何故?
カフェインを摂取すると目が覚めるというのは有名ですが、何故カフェインを摂取すると眠気がなくなるのかというメカニズムを知っている人はほとんどいないのではないでしょうか?
実は、カフェインの覚醒作用には睡眠ホルモンの1つである「アデノシン」というホルモンが関連しています。
アデノシンには眠気を発生させる作用があるのですが、私たちが起きている時はどんどんアデノシンが増えて脳内に溜まってしまうのです。
しかし、カフェインはこのアデノシンの働きを抑制する効果があるので、眠気を抑えることが出来るのというわけなのです。
ちなみに、アデノシンには眠気を発生させるだけではなく、他にも以下のような働きがあります。
- 眠気を誘発する
- 心拍数を低下させる
- 腎臓への血流を低下させる
- 血行を促進する
このようにアデノシンには様々な働きがありますが、その中の1つに眠気を誘発する作用があるのです。
勘違いしている人も多いのですが、カフェイン自体に眠気を覚ます作用があるわけではありません。
あくまでも、眠気をもたらすアデノシンの働きを抑えることで眠気をブロックしているだけなのです。
カフェインが効いてくるのは飲んでから30分後
ところで、コーヒーやカフェイン含有飲料を飲んだらすぐに目が覚めると思っている人もいるのではないでしょうか?
実は私も以前はそう思っていましたが、残念ながら眠い時にカフェインを飲んだからといってすぐに効果が現れることはないのです。
例えばコーヒーの場合、コーヒーを飲んでから覚醒効果が現れるまでは15分〜30分くらいの時間が必要になります。
しかし、これは熱いコーヒーを飲んだ場合であり、アイスコーヒーを飲んだ場合は小腸の粘膜の毛細血管が収縮し、さらに胃の働きが低下することでもう少し時間がかかり、飲んでから1〜2時間後に効果が現れ始めると言われています。
つまり、少しでも早くカフェインの効果を得たい場合にはカフェインが含有されている温かい飲み物を飲んだ方が良いということになります。
いずれにしても、カフェインを摂ってから覚醒効果を得るまでには少し時間がかかるので、即効性を期待することは出来ません。
例えば高速道路を運転中に眠気を感じたらサービスエリアでコーヒーを買って眠気を飛ばそうとしますよね。
そんなときも、コーヒーを飲みながら運転したり、飲んでからすぐに運転を開始するのではなく15分くらい休憩してから運転を再開する方が安全なのです。
「すぐに効果が現れるんじゃなかったの?」
と、ガッカリした人もいるかもしれませんが、この時間差は上手く昼寝に利用することで午後からのパフォーマンスを上げることが出来、さらに夜の睡眠にも良い影響をもたらします。
昼寝は毎日20分〜30分くらいとるのが健康にも良いことが分かっているので、可能な限り昼寝をするようにしましょう。
しかし、昼寝をすると起きたときに頭がスッキリせずにボーっとしてしまって仕事の効率が悪くなってしまうことがよくあります。
そこで昼寝をする前にコーヒー等を飲んでカフェインを摂取しておくと、起きたときにカフェインの覚醒効果が現れ始めてくるので目覚めがスッキリとして午後からのパフォーマンスも高まるのです。
普通なら昼寝をした後に頭をスッキリさせるためにコーヒーを飲んだ方が効果的な気がしますが、実は昼寝の前に飲んだ方が効率が良いのです。
また、昼寝をすることで夜の睡眠の質も上がることが分かっているので、騙されたと思って一度試してみてください!
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カフェインの持続時間はどれくらい?寝る前に飲んでも大丈夫?
カフェインの覚せい効果はどれくらいの時間持続するのでしょうか?
一般的にカフェインの覚醒作用は効果が現れてから4時間くらい持続すると言われています。
(ただし、年齢や体調によっても異なり、若い人よりも高齢者の方がカフェインの持続時間が長いと言われています。)
つまり、逆算すると眠りたい時間の4時間前以降はカフェインを摂取しない方が良いということになります。
夜遅くに一息ついてコーヒーや紅茶を飲みたいという人もいるかもしれませんが、カフェインの作用が効いていると例え眠れたとしても眠りの質が悪くなったり、中途覚醒しやすくなることが分かっています。
「寝る前にコーヒーを飲んでも眠れるから大丈夫」
という人も、もしかすると眠りが浅くなって熟睡出来ていない可能性があるのです。
そうなると睡眠不足になり、睡眠負債がどんどん溜まっていくということになりかねません。
また、眠りはじめの3時間は健康や美容を維持する成長ホルモンが最も多く分泌されるとても重要な時間帯なので、カフェインの作用で眠りの質が悪くなっているとこれらの効果が薄れてしまいます。
これは非常にもったいないので、寝る前のカフェイン摂取は極力控えるようにしましょう。
ところで、コーヒーを飲んだ後にオシッコが近くなったという経験をしたことはないでしょうか?
実は、カフェインは腎臓への血流を増やす作用もあり、尿が作られる量が多くなるためオシッコが近くなるのです。
つまり、寝る前にカフェインを摂取してしまうと眠っているときに尿意を催してしまい中途覚醒が多くなってしまうことでさらに睡眠の質が低下してしまうことにつながるのです。
しかし、4時間以上経てばカフェインの覚醒作用もほとんどなくなるので、睡眠の質が低下することもありません。
以上のことから、コーヒーを飲むときは出来るだけ眠りにつく4時間前までにしておくのが快眠するコツなのです。
ちなみに、カフェインはコーヒーだけでなく、チョコレート、緑茶、ココア、コーラ、栄養ドリンク等にも含まれており、中にはお菓子にカフェインが含まれているものもあるので注意しましょう。
どうしても睡眠前に一息つけるものを飲みたくなったときは、コーヒーや紅茶ではなくハーブティーやホットミルクに変えてみるとリラックス効果や睡眠効果も得ることが出来るのでおすすめです。
どうしてもコーヒーが飲みたいという人は、カフェインレスコーヒー等も販売されているのでそういったものを飲むようにしましょう。
カフェインの飲み過ぎは危険
カフェインは睡眠を妨げるだけでなく、大量に摂取すると「カフェイン中毒」を引き起こすことがあります。
もちろん、コーヒーを3、4杯飲んだくらいでは中毒域に達することはありませんが、短時間に大量のカフェインを摂取するとカフェイン中毒になることがあります。
海外ではカフェインが含有されたエナジードリンクを何本か飲んだ人がカフェイン中毒で死亡したという報告があり、日本でもカフェイン中毒で死亡した人がニュースになりました。
ちなみに1日のカフェイン摂取量の上限は400mgくらいだと言われているので、インスタントコーヒーで換算すると5〜6杯くらいが上限になります。
カフェインの致死量は人によって個人差がありますが、1日400mgは超えないように注意しましょう。
また、先ほどご紹介したアデノシンには心拍数を低下させる作用があるのですが、カフェインはアデノシンの働きをブロックするので強心作用をもたらします。
そして、強心作用によって血管が収縮したり心拍数が増加することによって血圧が上昇してしまうのです。
さらに、カフェインは胎盤を通過して胎児に影響を与えたり、母乳にもカフェインが移行することも分かっているので妊娠中や授乳中の女性はカフェインを控える必要があります。
最後に
最近ではコーヒーを毎日3杯以上飲んでいる人はガンになるリスクが低くなると言われたり糖尿病の予防にもなると言われていることから、毎日コーヒーを飲むことを日課にしている人もいるかもしれません。
確かに、適度にコーヒーを飲むことは健康に良いということは様々な研究結果からも分かっているので積極的に飲むことは健康面から考えても悪くはありませんが、過剰摂取は危険で睡眠にとっても良いものではありません。
せっかくコーヒーのがん予防や健康効果を期待して毎日コーヒーを飲んでいても、睡眠を蔑にしてしまっては全く意味がありません。
もちろんカフェインは正しく摂取すれば危険なものではく、特にコーヒーは健康に良い効果をもたらすこともあるので摂取する時間や量に気を付けて正しい方法で楽しみましょう!